ブログ

WordPressは制作するよりも修復する方が難しい

2021年現在、全WEBサイトにおけるワードプレスで制作したサイトの割合は40%と言われています。ただ、この数値は過去に制作したWEBサイトをそのまま放置してあるものも含めますからまともに稼働しているサイトに関していうと、シェア率はさらに上がって50%程度はすでにワードプレスで制作したサイトではないかと思います。

それだけ汎用化されたということで長年ワードプレスに携わってきたものからすると、やっとワードプレスのシェア率もここまで来たかと感動もひとしおです。

ワードプレスがWEB制作者やシステムエンジニアの間で話題になり始めたのが今から約10年前、当時はまだワードプレスとMovable Type(ムーバブルタイプ)とがシャア争いをしていましたが、私は確実にワードプレスが勝つだろうなと思っていました。結果的にそれは正解であったのですが、Movable Typeの致命的な欠点は商用サイトを制作する場合、有料の商用ライセンスを取得する必要があったのです。これではMovable TypeがWordPressに勝つのは厳しいだろうなと思っていたら案の定現在も積極的にMovable Typeを利用しているサイトはかなりの少数派になりました。

これから先、WordPressが天下を取り続けるのかといえばそれはさすがに分かりません。WEB制作の世界は新陳代謝が異様に速く、ワードプレスよりももっと進化した新たなWEB制作ツールが開発されることも十分考えられますが、いずれにせよ、最低でもあと5年程度は今のワードプレス一強状態が続くような気がしています。

先日、ワードプレスで制作したプログが破損してしまいログインできないというご相談を受けました。

まったくのWEB制作初心者の方がなんとか見よう見真似でブログを制作したのはいいが、折り悪く、WordPress 5.8への自動更新と制作が重なってしまい、管理画面上部に表示されていた『WordPress 5.8.2 が利用可能です ! 今すぐ更新してください。』のリンクボタンを押したらサイトが表示されなくなってしまったとのことです。

弊社で直す場合、仮にアップデートが原因であれば2万円程度の料金を頂いております。この料金を高いと見るか、安いと見るかは個人の主観に委ねられますが、弊社としては妥当な料金設定であると自負しています。お問い合わせをくださった方に2万円の修復費用が掛かると話すとそんなに掛かるのですかと驚かれていました。結局弊社に依頼はされませんでした。他社に依頼されたのか、はたまた諦めたのかは分かりませんが、いずれにせよ、制作することは出来ても修復することは難しいという事例です。

もしどうしても2万円をお支払うのが厳しいのであればプログを作り直したらいかがですかとお話いたしました。

直し方のヒントを教えていただけませんかともいわれましたが、それはお断りいたしました。口頭で伝えられるような単純な話ではありませんし、弊社もワードプレスの修復が決して本業ではありませんが、それでもビジネスとして運営しています、そこを教えてしまったら商売あがったりですからね。

ワードプレスというWEB制作ツールが世間一般に浸透して、上場企業や公的機関までもがワードプレスを利用してサイトが作られるようになりました。弊社でも某国立機関の公式ホームページをワードプレスで制作いたしました。

しかし、導入の簡便さとは裏腹に破損してしまったワードプレスの復旧・修理は殊の外手間が掛かり、現実問題、初心者の方が直すのはほぼ無理だと思います。

ワードプレスでサイトを制作するということはサイトが破損して見れなくなってしまうことが起こりえるということを覚悟する必要があります。WEBサーバーの導入からドメインの設定まで、制作をレクチャーするサイト、YouTube動画、書籍は山ほどございますが、PHPのアップデートやWordPressやプラグインのバージョンアップに伴う破損があるということを予め説明しているものって殆どないと思われます。

弊社の本業は企業用ホームページの制作です。クライアントにはワードプレスのシェア率や簡単に更新出来るメリットを説明しますが、同時にサイトが見れなくなってしまうことがあるということはキチンとご説明させて頂いています。もちろん、ホームページが壊れてしまっても修復は致しますのでご安心くださいということも申し伝えます。

ワードプレスのシェア率は今後益々上がり続けると思います。アメブロやFC2などの無料プログ、ECキューブなどのネットショップを除けば特に中小企業であると自社ホームページの大半はワードプレスで制作されたものになるのではないかとすら思います。そのため、バックアップを取ることはもちろんのこと、破損してサイトが見れなくなってしまうことがあるということは最初から肝に銘じておく必要があると思います。そして、修復は制作するよりも遥かに難しいということを熟知しておく必要もあると思うのです。

今回は少し怖いことを言いましたが、自動車やバイクの免許をするとき、快適な移動が可能になることはもちろんだとしても、重大な交通事故を起こす可能性があることを当然ドライバーであれば弁えるのと同じ理屈だと思います。

  • WordPressは制作するよりも修復する方が難しい はコメントを受け付けていません
  • スタッフブログ

関連記事

ページ上部へ戻る